梅毒検査(梅毒血清反応検査)と陽性の場合の妊婦や胎児への影響

カテゴリ:感染症

記事の種類:検査項目

梅毒検査の意味

梅毒は病原体である梅毒トレポネーマ(TP)による感染症です。
皮膚や粘膜の小さな傷から侵入して感染します。
もし梅毒に感染していると、妊娠4ヶ月末の胎盤完成以降、胎盤感染を引き起こします。
このため、妊娠4ヶ月までには梅毒血清反応検査を実施し、胎盤完成よりも前に梅毒治療を実施し駆逐する必要があります。

妊娠中期以降に感染する場合もあり、母体感染から胎盤を経由して胎児に感染する場合がありますが、これには約6週間を要します。
このため、この間に梅毒検査と治療を実施する事が重要になります。

検査方法

梅毒感染の診断検査には、梅毒血清反応検査という方法を用います。
これには以下の2つの方法があります。

方法 概要 メリット デメリット
STS法 リン脂質抗原(カルジオリピン)の梅毒トレポネーマ抗体に対する抗体反応を調べる(感染から4?6週間後より可能)
ガラス板法、凝集法RPRカード法などがある
早期診断が可能 偽陽性の可能性がある(妊娠自体によっても陽性となる場合がある)
TPHA法 梅毒トレポネーマに特異的に反応する免疫抗体反応を調べる(感染から3ヶ月後より可能)
梅毒血清凝集反応、梅毒蛍光抗体吸収法が用いられます
偽陽性の可能性はなく確定診断が行える STS法に比べて診断できるようになるまでに時間がかかる
一旦陽性となれば治癒後も陽性反応が続くため治癒したかの判断には使用できない

STS法の方が早期診断が可能である反面、非特異的反応による検査のため偽陽性となる可能性があります。
このため、確定診断にはTPHA法が用いられます。

感染経路

梅毒は主に性行為やその類似の行為により感染します。
母子感染は主に経胎盤感染により起こります。

治療法

梅毒の治療はペニシリン系の抗生物質の服用(経口合成ペニシリン500mgを1日3回服用)で行います。
もしペニシリンのアレルギーを持つ妊婦の場合は、アセチルスピラマイシンなどを用います。
服用期間は、第1期(感染初期)では2~4週間、第2期では4~8週間、第3期以降では8~12週間となります。

陽性の場合にリスクのある疾患

母子感染により胎児が先天性梅毒となる可能性があり、先天性梅毒には早発型(生後3ヶ月以内に発症)と遅発型(晩発性)があります。
それぞれ以下のような症状が現れます。

早期先天梅毒

  • 特徴的な皮膚病変
  • リンパ節腫脹
  • 肝脾腫
  • 発育不全
  • 血液が混入した鼻汁
  • 口周囲の亀裂
  • 髄膜炎
  • 脈絡膜炎
  • 水頭症
  • 痙攣
  • 知的障害
  • 骨軟骨炎
  • 仮性麻痺

晩発性先天梅毒

  • ゴム腫性潰瘍
  • 骨膜病変
  • 麻痺
  • 脊髄癆
  • 視神経萎縮
  • 角膜実質炎
  • 内耳性難聴
  • ハッチンソン歯(上顎の永久門歯が短い)
※角膜実質炎、内耳性難聴、ハッチンソン歯はハッチンソンの3徴候と呼ばれます。

公開日時: 2017年10月14日  16:37:06

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