B型肝炎検査(HBs抗原検査)と陽性の場合の妊婦や胎児への影響

カテゴリ:感染症

記事の種類:検査項目

B型肝炎検査の意味

B型肝炎はB型肝炎ウイルス(HBV)が血液を介して侵入し感染します。
B型肝炎には一過性の急性肝炎と、持続性の肝炎(キャリア)の2つのタイプがあり、母子感染リスクが異なります。

免疫応答が正常な人は、通常は一過性急性肝炎で済み、持続感染化(キャリア化)することは稀です。
一方で3歳未満の免疫が未発達な時期に感染した場合、持続感染化する可能性があります。
このためB型肝炎陽性妊婦の場合、3歳までの母子感染の防止が重要になってきます。

検査方法

B型肝炎ウイルスにはHBsとHBeの2つの種類があります。
HBeはHBsに比べて感染性が強いのが特徴です。
妊婦健康診査でのB型肝炎ウイルス検査では、通常はHBs抗原の有無を検査します。
もしHBs抗原が陽性であれば、HBs抗体、HBe抗原、HBe抗体検査、肝機能検査も実施します。
HBe抗原が陽性の場合、児が慢性B型肝炎(キャリア)となる可能性が高いため、特に母子感染には注意が必要です。

感染経路

B型肝炎ウイルスは血液や精液を介して感染(母子感染、注射器の使いまわし、輸血、性行為など)します。
特に近年は性行為による感染が増加傾向にあります。
母子感染の多くは通常分娩時に起こります。

治療法

B型肝炎の治療には、HBVキャリア妊婦から出生した児に対して、HB免疫グロブリンを投与し、受動免疫を付与します。
また乳児期にB型肝炎ワクチンを接種させ、能動免疫を獲得させます。
この治療により約90%の児でHBVキャリア化を防止することができます。
上記の母子感染予防策が取られていれば、母乳授乳も可能です。

陽性の場合にリスクのある疾患

B型肝炎陽性妊婦の場合の児へのリスクは、妊婦が急性B型肝炎か、慢性B型肝炎(HBVキャリア)か、更にHBe抗原が陽性かで変わってきます。

妊婦が持続性の慢性B型肝炎(HBVキャリア)の場合

何の感染予防策をとらない場合、母子感染率により約30%の児が慢性B型肝炎(HBVキャリア)になります。
児がHBVキャリアになるか否かは、母体がより感染力が高いHBe抗原が陽性か否かで決まります。
妊婦がHBe抗原陰性の場合は、約10%の児がHBs抗原陽性となりますが、持続感染することは稀です。

HBe抗原も陽性の場合

一方で妊婦がHBe抗原も陽性の場合、出生児の約80?90%の児でHBVキャリアとなります。
※HBs抗体を持たない児が、より感染力の強いHBe抗原に感染する事になるためです。
全妊婦の約1%がHBs抗原が陽性で、その内の約25%がHBe抗原も陽性です。

妊婦が一過性の急性B型肝炎の場合

妊婦が急性B型肝炎の場合は、妊娠初期の感染であれば、分娩までに抗体が作られ、児への垂直感染の可能性はありません。
但し、妊娠末期以降での感染の場合、児への垂直感染の可能性は約70%にまで高まります。

公開日時: 2017年10月14日  16:46:18

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