尿糖の正常値(基準値)と異常値の場合の原因と疑われる病気

カテゴリ:糖代謝

記事の種類:検査項目

尿糖検査の意味

尿糖は耐糖能異常のスクリーニングとして実施されます。
但し、正常妊娠においても妊娠中は腎臓の糸球体での濾過量が増加するため、糖の尿中排泄量が増加し、尿糖が検出されやすく、妊娠糖尿病のスクリーニングとしては推奨されていません
また、もし尿糖が陰性であっても妊娠糖尿病の可能性は否定できず、尿糖値とは関係なく特に妊娠初期や中期では血糖検査(75gOGTT:75g経口ブドウ糖負荷試験)での確定診断が必要になります。

検査方法

尿蛋白の検査と同様に、腟分泌物が混入しないように注意しながら随時尿を2回採取し、試験紙法を用いて検査します。
2回とも100mg/dL以上の場合は、妊娠糖尿病の診断のための更なる検査(血糖、75gOGTT、HbA1cなど)を実施します。
※一般的には尿糖値ではなく、血糖値が160?170mg/dLの場合に妊娠糖尿病と診断されます。

偽陽性となる場合とは?

妊娠中は尿中のグルコースの濾過量が増加することで尿細管での再吸収が追いつかず、尿中に糖が漏れて尿糖値が高くなり(腎性尿糖)、偽陽性となる場合があります。
逆に血糖値が200mg/dLであっても尿糖値は正常範囲であるなど、偽陰性となる場合もあり、実際には尿糖値はあてになりません

正常値(基準値)

100mg/dL未満

※2回以上100mg/dL以上の場合に陽性(偽陽性も含む)となります。

原因

妊娠前からすでに糖尿病と診断されていた場合は、糖尿病合併妊娠と呼ばれます。
妊娠前は尿糖や血糖値は正常であり、妊娠後に初めて高値となった場合は妊娠糖尿病(GDM)と診断されます。
妊娠糖尿病の原因は、上述したように、妊娠により循環血液量が増加し、糸球体での濾過(尿細管での糖の再吸収)が追いつかず、尿糖や血糖値が上昇する疾患です。
通常は一過性であるため、産後は尿糖値や血糖値は正常値に戻ります

治療法

妊娠糖尿病の場合、主に以下の治療を実施します。

  • 食事療法
  • 運動療法
  • 薬物療法(インスリンの投与)
毎食前血糖値が100mg/dL以下で、食後2時間の血糖値が120mg/dL以下、HbA1cが5.8?6.0%以下になるように管理します。
なお、妊娠中は運動療法は切迫流産を誘発恐れがあるため食事療法が中心となります。
血糖値が高い場合はインスリンの自己注射によるインスリン治療が実施されます。
分娩は胎児や母体に異常がない限りは自然分娩で実施されます。

異常値の場合に疑われる疾患

  • 糖尿病合併妊娠
  • 妊娠糖尿病(GDM)

公開日時: 2017年10月05日  16:55:46

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