NST(ノン・ストレス・テスト)の正常値と異常値の場合の原因と疑われる病気

カテゴリ:胎児の検査

記事の種類:検査項目

NST(ノン・ストレス・テスト)の意味

NST(ノン・ストレス・テスト)はストレス(子宮収縮)のない状態での一過性頻脈の有無を調べる、胎児心拍数モニタリングの1つです。
胎児の中枢神経や自律神経が正常かを診断するために、一般的に分娩が近い時期に実施されます。
胎児心拍数モニタリングには、このノン・ストレステストと胎児に人為的に軽いストレスを与えるコンストラクション・ストレス・テスト(CST)があります。
CSTはNSTで胎児の健康状態の評価が十分に行えない場合にのみ実施します。

検査方法

妊婦はセミファーラー位(上半身を15度から30度起こした姿勢)か側臥位(横向きの体勢)の体位になり、胎児心音を聴取できる部位にプローブを装着して胎児心拍数を測定します。
胎児の睡眠と覚醒のサイクルは20分であるため、通常40分間の胎児心拍数を測定します。
そして胎児の覚醒時に一過性頻脈が見られるか否かを確認します。

もし一過性頻脈が見られれば心拍数を支配する自律神経系の反応が正常(胎児の健康状態は良好)と診断されます。
※頻脈は心拍数が増加状況にあることを意味し、一過性頻脈は一時的に心拍数が上昇した状態を指します。
※一過性頻脈は通常子宮収縮や胎動に反応して起こります。

正常値(基準値)

妊娠32週以降において、以下の場合に胎児の健康状態は良好(reactive)と診断されます。

20分間に15bpm以上で15秒以上継続する一過性頻脈が2回以上ある

※bpmはbeats per minuteの略で心臓が1分間に拍動する回数です。

上記に該当しない場合は、non-reactiveとなります。

偽陽性の頻度

NSTは偽陽性の確率は50%と高く、non-reactiveを見つけるための検査としては精度が低いといえます。
non-reactive偽陽性の要因としては、睡眠-覚醒サイクルで胎児が寝ている状態であった事や未熟性、薬物や喫煙の影響などが挙げられます。

逆にreactiveの精度は98%と高く、reactiveであれば胎児は健康であると判断できます。

原因

一過性頻脈は自律神経を介して出現し、中枢神経により制御されます。
NSTで異常値(non-reactive)を示した場合(偽陽性を除く)、胎児の神経系の異常や胎児機能不全の疑いがあります。

異常値の場合に疑われる疾患

non-reactiveの場合に可能性のある要因は以下となります。

  • 胎児機能不全
  • 胎児が睡眠状態
  • 未熟性
  • 薬物
  • 喫煙
胎児機能不全以外は偽陽性であり、non-reactiveの約半数を偽陽性が占めるため、異常値でも必ずしも胎児機能不全とは限りません。
なお、胎児が睡眠状態である場合は、単に計測時間を伸ばすことで対処できます。

胎児機能不全

胎児機能不全の主な原因として、胎児仮死(胎児低酸素血症)アシドーシスが挙げられます。

胎児仮死

胎児仮死は胎児が低酸素状態(窒息)に陥ることで起こり、特に妊娠高血圧症候群の妊婦では発症率は高くなります。
軽度または中等度の窒息では回復する可能性がありますが、長時間窒息状態が続けばアシドーシスとなります。

アシドーシス

アシドーシスは低酸素状態により胎児の血液中に過剰な酸が蓄積する状態(pHが7.0未満に下がる)を言い、様々な器官に後遺症(知的障害、脳性麻痺?、発作など)が現れます。

公開日時: 2017年10月22日  17:50:56

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