血圧の正常値(基準値)と異常値の場合の原因とリスクのある病気

カテゴリ:血圧

記事の種類:検査項目

血圧測定の意味

血圧測定は妊娠高血圧症候群を含む高血圧合併妊娠の診断に用いられます。

妊娠高血圧症候群

妊娠高血圧症候群は妊娠高血圧(妊娠20週?分娩後12週に高血圧を初めて発症)もしくは妊娠高血圧腎症(妊娠高血圧に尿蛋白を伴う)のいずれかを指し、全妊婦の1?2%で発症します。
初産婦に多い傾向にあります。

検査方法

5分以上の安静の後、座位で2回測定し、その平均値を取ります。
なお、カフェインの影響を受けるため、コーヒーなどでカフェインを摂取した場合は30分以上経過してから測定します。

正常値(基準値)

以下が血圧の正常範囲です。

収縮期血圧:140mmHg未満
かつ
拡張期血圧:90mmHg未満

※至適血圧は収縮期血圧:120mmHg未満かつ、拡張期血圧:80mmHg未満となります。

高血圧合併妊娠の診断基準

収縮期血圧140mmHg、拡張期血圧90mmHg以上の状態が妊娠前や妊娠20週までに存在し、妊娠20週以降も尿蛋白を伴わない場合、高血圧合併妊娠と診断されます。

重症度の判断基準

高血圧合併妊娠には軽症と重症があり、判断基準は以下となります。

高血圧合併妊娠の重症度の判断基準
重症度血圧尿蛋白
軽症収縮期血圧140mmHg以上160mmHg未満
かつ
拡張期血圧90mmHg以上100mmHg未満
尿蛋白300mg/日以上2.0g/日未満
重症収縮期血圧160mmHg以上
かつ
拡張期血圧100mmHg以上
尿蛋白2.0g/日以上

発生時期による分類

高血圧合併妊娠は発症した時期によって早発型と遅発型に分類されます。

早発型と遅発型の基準
分類妊娠週数
早発型妊娠32週未満に発症
遅発型妊娠32週以降に発症

病型の分類

高血圧合併妊娠の病型の分類とその定義は以下となります。

病型の分類
病型定義
妊娠高血圧腎症妊娠20週以降に初めて高血圧を発症し、かつ尿蛋白を伴い、分娩後12週までに正常に戻るもの
妊娠高血圧妊娠20週以降に初めて高血圧を発症し、分娩後12週までに正常に戻るもの
加重型妊娠高血圧腎症妊娠前あるいは妊娠20週までに高血圧が存在し、妊娠20週以降に尿蛋白を伴うもの
妊娠前あるいは妊娠20週までに高血圧と尿蛋白が存在し、妊娠20週以降にいずれかもしくは両方が増悪するもの
妊娠前あるいは妊娠20週までに尿蛋白のみを呈する腎疾患が存在し、妊娠20週以降に高血圧を発症するもの
子癇妊娠20週以降に初めて痙攣発作を起し、てんかんや二次性痙攣ではないもの

原因

妊娠高血圧のリスク因子としては以下が挙げられます。
特に肥満女性の発症率が高く、妊娠中の体重増加量が大きい女性では特に発症率が高い傾向にあります。

  • 肥満
  • 高齢
  • 高血圧家系
  • 非配偶者間人工授精(AID)妊娠
  • 代理懐胎

治療法

妊娠高血圧症候群の根本治療は妊娠の終了のみとなります。
軽症の場合は安静と栄養指導のみとなります。
しかし重症で母児の生命の危機が予想される場合は、一般的には胎児が胎外環境での生存が可能な時期であれば帝王切開術による速やかな分娩が実施されます。

なお、母体救命のために降圧薬治療を実施する場合があります。
※但し、降圧薬治療の投与は胎児の子宮内環境を悪化させる可能性があります。

異常値の場合にリスクのある疾患

重症例では以下の疾患のリスクが高まります。

母体

  • 母体死亡
  • 妊娠高血圧症候群
  • HELLP症候群
  • DIC
  • 心不全
  • 高血圧脳症
  • 常位胎盤早期剥離
  • 早産
  • 流産
  • 子癇

胎児

  • 子宮内胎児死亡
  • 子宮内胎児発育不全
  • 胎児機能不全

公開日時: 2017年09月25日  01:17:55

血圧に戻る

「血圧」に関する他の解説

「血圧」に関する他の解説はありません。

このページのトップに戻る