浮腫ができる原因とある場合に疑われる病気

カテゴリ:身体所見

記事の種類:検査項目

浮腫の確認の意味

浮腫は痛みを伴わない腫れを指し、浮腫の有無は、主に妊娠高血圧症候群深部静脈血栓症の発症予知として重要な徴候です。

妊娠高血圧症候群と浮腫

以前は、浮腫は妊娠高血圧症候群(妊娠中毒症)の3徴(浮腫・高血圧・蛋白尿)と呼ばれ、妊娠高血圧症候群の鑑別に用いられていました。
しかし、全妊婦の約30%で浮腫が見られ、臨床的意義が乏しい事から今は妊娠高血圧症候群の定義からは除外されています。
※妊娠高血圧症候群に伴う浮腫は高血圧と蛋白尿に付随するものであり病的な意義はありません。

但し、妊娠28週?32週未満の全身性の浮腫は妊娠高血圧症候群の可能性が比較的高く注意が必要とされています。

深部静脈血栓症と浮腫

妊娠期や産褥期では静脈血流のうっ滞が起き、血液凝固機能が亢進されることで深部静脈血栓症が生じやすくなります。
臨床症状としては下肢の著明な腫脹や浮腫、疼痛などがあります。

検査方法

下肢脛骨上の皮膚の表面を指で押し、圧迫痕が生じるかで診断します。
浮腫が認められる場合、発症時期や発症様式(急性、慢性など)、浮腫の分布、随伴症状などから疾患の診断を行います。

原因

浮腫の原因としては、血漿量の増加による血管内静水圧(血管内の水圧)の上昇や血漿膠質浸透圧(水を血管内に保とうとする力)の低下、血管透過性(血管壁の物質の通しやすさ)の亢進などがあります。
妊娠中は循環血漿量が増加し、血管内静水圧の上昇による末梢血管の増大により血管抵抗性が上昇(血管壁が血液を押す力が強まり血液が流れにくくなる)して、更に腎血流が拡張するために浮腫が生じます。

また、妊娠後期では細胞間質の浸透圧の低下や子宮増大による下大動脈の圧迫により静脈還流が障害され、更に血圧調節に関わるホルモン系(レニン-アンギオテンシン-アルドステロン系)の活性化により、水と電解質の貯蔵促進により下肢に浮腫が生じやすくなります。

治療法

浮腫は他の疾患により随伴的に現れる症状であるため、浮腫自体の治療は行いません。
浮腫を引き起こしている原因疾患を特定し、その疾患に対する治療を行います。

浮腫がある場合に疑われる疾患

浮腫が全身性か局所性のどちらで現れるかで疑われる疾患が異なってきます。

全身性

  • 血管内水圧の上昇
    • 腎不全
    • ネフローゼ症候群
    • 心不全
    • 肝硬変
  • 血漿膠質浸透圧の低下
    • 蛋白喪失型
      • ネフローゼ症候群
      • 蛋白漏出性胃腸症
    • 合成障害型
      • 肝硬変
      • 低栄養
  • 血管透過性亢進
    • アレルギー反応
    • 血管性浮腫
    • 特発性浮腫
    • 薬剤性
  • その他
    • 甲状腺機能低下

局所性

  • 血管内水圧の上昇
    • 静脈閉鎖
  • リンパ系閉塞
    • 悪性リンパ腫
    • 二次性のもの
    • フィラリア症
    • 特発性
  • 血管透過性亢進
    • 炎症性
    • 熱傷
    • 多型性滲出性紅斑
    • アレルギー性
    • じん麻疹
    • 薬剤性
  • 血管神経性

公開日時: 2017年09月24日  18:29:52

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